2014年8月19日火曜日

【県提供】断続的な降雨対策について

 ヒメノです、いつもすいません。
県からの技術情報を再度お届けいたしますので、作業の参考になれば幸いです。

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滋賀県では、8月8日頃から断続的な降雨が続いています。

 農作物の被害を最小限に抑えるため、万全の対策を講じるよう指導してください。

 対策の詳細については、「主要農作物気象災害対策の手引き」「農作物病害虫雑草防除基準」を参照してください。

なお、特に雨量が多い場合は、排水路の境目が見えなくなっていたりしますので、農作業は慎重にしてください。

 

【水稲】

1.成熟期に達している、あるいは近くになっているところは、排水対策を徹底し長時間の滞水を避ける。

2.既に倒伏していたり、倒伏が懸念されるところでは速やかに排水できるよう排水溝を整備する。

3.成熟期頃の稲穂が水に浸かった状態にあると穂発芽する恐れがあるので注意し、場合によっては刈り分ける等、別処理する。

4.刈り取りを行う場合は、穂や葉の水滴が完全に乾いてから行う。

5.風雨にもまれた籾は胴割れや損傷が多くなるので、刈り取り・乾燥調製作業は丁寧に行う。

6.穂いもちの発生が懸念されるため、特に、中生・晩生品種では、雨のやみ間を見て防除を実施する(薬剤を散布する際には、収穫前日数を確認し、周辺ほ場にドリフトしないよう注意して散布する)

 

【大豆】

1.滞水がある場合は速やかに排水するよう、排水溝の点検・補修を行い確実に排水する。

2.激しい風雨の後には、葉焼病が発生する恐れがある。防除は発生初期に行う必要があるので、発生を認めた場合は速やかに防除する。

 

【野菜】

Ⅰ施設野菜(雨よけを含む)

天候が回復した後にしおれが甚だしい場合は、遮光やべたがけ等を行い植物体温の低下と蒸散の抑制を図る。

Ⅱ露地野菜

1.排水溝をさらえる等排水に努め、排水溝を尻水戸につなげるなど水落ち部分は必ず作る。

2.肥料の流亡が考えられる場合は、速効性の窒素やカリ肥料を追肥する。また、草勢の回復を図る場合は、薄い液肥の施用や葉面散布が効果的である。

3.土壌表面が固まった場合は、天候の回復を待って畝全面を軽く中耕して通気性をよくする。

4.病害の発生や被害の拡大を防ぐため、天候の回復を待って防除を徹底する。

5.定植作業が遅れる場合、育苗中後期の苗であれば、遮光ネットを外し苗の徒長を防ぐ。ただし、強光時に遮光を外すと、逆効果になることもあるので注意する。

 

【花き】

1.ほ場の排水状況を点検し、滞水がある場合は排水溝をさらえる等、速やかに排水を行う。

2.小菊等では倒伏しないよう、畝の両端の親支柱や中間支柱をしっかり立て直し、必要に応じ中間にクイを入れ補強する。

3.葉や花が濡れた状態での収穫となる場合は、通常よりばらけさせて取り扱うとともに、扇風機などで乾かし、ムレを防ぐ。

4.病害が発生しやすくなるので、発生があれば、天候の回復を待って農薬安全使用基準に従って病害防除を徹底する。

 

【果樹】

1.降水量が多くほ場に長期間滞水する場合は、根の活力低下、枯死を防ぐため側溝のゴミ、泥の除去、除草を行うなどして水の流れを良くしたり、浅い溝を掘って表面水を園外に排水する。

2.降雨後や濡れた状態で収穫したいちじくは、腐敗果が出やすいため選別には注意を払う。特に目の部分が濡れていたり、水が入っている果実は流通段階で腐敗果となるため出荷しない。

3.病害が発生しやすくなるので、発生があれば、天候の回復を待って農薬安全使用基準に従って病害防除を徹底する。