2015年7月14日火曜日

台風対策情報(滋賀県発表)

 ヒメノです、いつもすいません。
台風接近につき、県から技術情報がでておりましたので下記におつなぎします。

以下引用*************
  

台風接近に備えての対策について

 日本の南の海上には2つの台風があり、台風の北上とともに台風の湿った空気が流れ込む可能性もあります。近畿付近も台風の影響を受ける恐れがありますので、最新の台風情報に注意して下さい。

 また、ほ場や施設の点検は、人命第一の観点から、気象情報を十分に確認し、大雨や強風が治まるまでは行わないでください。また、大雨等が治まった後の見回りにおいても、増水した水路その他の危険な場所には近づかず、足下等、ほ場周辺の安全に十分に注意し、転落、滑落事故に遭わないよう慎重に行ってください。
 

【大豆】

1.台風通過前の対策

事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠浸水時の速やかな排水に備える。

 

2.台風通過後の対策

①冠水又は浸水の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努める。

 ②冠水の著しいほ場においては、茎疫病等の発生が懸念されることから、排水後、病害の発生動向に十分注意し、発生を認めたら殺菌剤を散布する。

③滞水により発芽不良を起こした場合は、排水後、ほ場が乾きしだい、早めに播き直しを行う。

 

【野菜】

Ⅰ施設野菜(雨よけを含む)

1.台風通過前の対策

 ①パイプハウスが耐えられるのは風速25m程度(アーチパイプ25mmφ、50cmピッチ、間口6.0m)で、補強パイプを入れた通称コンクラハウスでも風速32m程度と考えられる。内作に影響がなければ、フィルムは除去しておく。内作がある場合はハウスを密閉し、隙間や破れ、緩みを点検し補修する。

  (ハウスバンドの締め直し、バンド固定用のパイプや番線、らせん杭の点検、フィルムの補修、ドアの補強等)

 ②換気扇があるハウスでは、出入口を密閉して換気扇を稼働させ施設内を負圧にする。

 ③風圧を弱める対策として防風ネットをハウスの軒高と同じか高いくらいに設置する。

 ④パイプ埋め込み部分が水で緩くならないよう、ハウス周囲の排水溝を点検して手直しする。

 ⑤強風により、資材・木片・小石等が飛来して被覆資材が破損しないように、施設周辺を清掃しておく。

 ⑥生育中の野菜がない簡易パイプハウスなどでは被覆資材を巻き上げて軒の部分にくくり付ける。

 ⑦鉄道沿線や幹線道路沿いのハウスではフィルム等が飛散し、2次的な大事故の原因とならないように十分に注意する。

 

 
2.台風通過後の対策

 ①速やかにほ場の排水を行い、停滞水のないようにする。

 ②吹き返しの風の強さや方向に注意しながら、サイドビニールの巻き上げ・天窓の解放を行って、施設内温度をできるだけ早く降下させる。

 ③茎葉に付着した泥などは、速やかに殺菌剤や水などで洗い流す。

 ④野菜や苗等のしおれが甚だしい場合は、寒冷紗やべたがけ資材等を被覆して、蒸散の抑制を図る。

 ⑤茎葉の被害により、細菌病などの病害が発生しやすくなるので被害株や被害葉を除去し、防除を徹底する。

 ⑥草勢を回復するため、台風通過後に液肥の葉面散布・追肥を行う。また、土壌表面が固まっている場合は軽く中耕する。

 

Ⅱ露地野菜

1.台風通過前の対策

 ①排水溝をさらえるなど排水に努める。また、排水口は必ず作っておく。

 ②収穫中の野菜は早めの収穫を行う。

 ③播きつけ直後のものは、種子の露出を防ぐために寒冷紗等で被覆する。

  幼苗期のものは、台風前に土寄せや土入れを行って株の揺れを防ぐ。

 ④風速が強くなる場合は、事前に誘引ネットやテープを切って、畝の上におろし、上から防風網や寒冷紗等で押さえるなど動かないように固定し、台風の通過後に復元する。

 

2.台風通過後の対策

 ①速やかにほ場の排水を行い、停滞水のないようにする。

 ②風雨で茎葉が損傷を受けた場合は、殺菌剤を散布し予防に努める。

 ③支柱を立て直し、誘引する。

 ④株元が露出したり土壌が固まっていたら、天候の回復を待って株元へ土寄せを行い、畝全面を軽く中耕して通気性をよくする。

 ⑤豪雨により肥料の流亡が考えられる場合は、速効性の窒素やカリ肥料を追肥する。

 ⑥草勢の回復を図る場合は、薄い液肥の施用や葉面散布が効果的である。

 

【果樹】

1.台風通過前の対策

 ①早生ももやブルーベリーなど収穫期にある果実は、強風程度と果実の成熟程度に応じて、やや早めの収穫を行う。

②幼木や品種更新のために高接ぎしたものは、支柱を立て枝折れが起こらないよう幹や主枝をしっかり誘引し固定する。

  ③ナシ、ブドウ、キウイフルーツなどの棚栽培する果樹は、強風が棚面をあおり被害を大きくするので、太い棚線の交差部分に重さ2kg程度のおもりをぶら下げ上下動を少なくする。棚線や支柱の強度、欠損箇所を確認し、支柱を増やしたり、棚線を張り直して緩みをなくすなど、棚自体を補強する。防風、防虫ネットを設置している園ではネットの結び目等を確認する。

  ④ハウス栽培では、控え線やハウスバンドを締め直し、ビニールの張りを点検する。

   また、ハウスの周辺から物が飛んできて破損することがないように見回り予防する。強風時はビニールを張って完全密閉し、換気扇がある場合は稼働させハウス内を負圧にし、ビニールのばたつきを少なくする。

  ⑤ハウスの強度を上回る強風が予想される場合は、天窓やサイドの換気部分を全開にして、ハウスの上部と妻部分のビニールを外すか破り、ハウス本体が倒壊破損しないようにする。

  ⑥シートマルチ栽培では、シートマルチが強風であおられると風ズレ果や枝折れが発生しやすくなるため、シートマルチの押さえを点検して補強する。

 ⑦降雨が速やかに排水されるように、排水溝をさらえるなど排水対策を講じる。

 

2.台風通過後の対策

 ①落葉や枝葉の損傷が激しい場合は、樹の被害程度に応じた着果量に摘果する。

  ②雨による病気の蔓延や風による樹体の傷口から病気の感染の恐れがあるので、農薬安全使用基準に従って殺菌剤を散布する。

  ③倒木した場合は速やかに起こし、支柱などにくくりつける。枝が裂けた場合は傷口を合わせ結束する。枝折れした場合は平滑に切り戻し、癒合剤を塗布する。

  ④降水量が多く、ほ場に長期間滞水する場合は、根の活力低下を防ぐため、側溝のゴミ、泥の除去、除草を行うなどして水の流れを良くしたり、浅い溝を掘って表面水を速やかに園外に排水する。

 

 

 花き】

1.台風通過前の対策

 ①施設に対する対策は野菜に準じる。

 ②降雨が速やかに排水されるように、排水溝をさらえるなど排水対策を講じる。

 ③草丈が高く支柱を立てている花きについては、畝の両端の親支柱や中間支柱を

  しっかり立て直し、中間にクイを入れて補強し、風害に備えること。

 ④フラワーネットは頂点から3分の1程度下がったところで支持する(フラワーネットが下がらないように支柱とフラワーネットを結わえる)。

 ⑤収穫直前のものは早めに収穫する。

 ⑥露地で小菊の育苗をしている場合で、移動が可能な場合は、風雨の当たらない場所に移動させる。

 

2.台風通過後の対策

 ①倒伏した株や傾いた株は、なるべく早く株元から起こし直立させ、茎や花穂の曲がりの防止に努める。

②停滞水が生じないように、速やかな排水に努める。

 ③病害が発生しやすくなるので、折れた茎葉を除去し、殺菌剤等の薬剤散布等により、

  病害の発生抑制に努める。

 

3.出荷をむかえている小菊の対策

 ①台風が来る前に固めの切り前で収穫し、常温で水揚げ、保管後に出荷する場合。

  「調整(箱詰め間に再度切り戻しが出来るように長めに調整)→「水揚げ」・「常温で良いができるだけ涼しい場所での保管」→「箱詰め前の再度切り戻し」を必ず行う。

  ②台風が去るのを待って収穫し、通常出荷する場合。

   風雨による花弁や葉の傷みは、高温、ムレにより症状は重くなるので、収穫後の水揚げや調整作業時は、通常よりばらけさせて取り扱う。

  収穫時に葉や花が濡れているときは扇風機などで乾かし、ムレを防ぐ(茎葉が濡れた

状態で箱詰めしない)。