2014年10月3日金曜日

【滋賀県提供】台風18号接近にかかる事前対策

 ヒメノです、いつもすいません。
台風接近にかかる情報提供をいたします。
事前の対策を取るということで、通過中は安全な場所で待機するようお願いいたします。

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  非常に強い台風18号が10月6日頃に本県に近づく恐れがあります。
 農作物等の被害を最小限に抑えるため、万全の対策を講じるようお願いいたします。
 
【大豆】

1.台風通過前の対策

① 滞水を避け速やかに排水するため排水溝の点検・補修を行い、確実に排水されるようにする。

2.台風通過後の対策

① 速やかにほ場の排水を行い、停滞水のないようにする。

② 風雨で損傷を受けた場合は、紫斑病等の発生が心配されるので、殺菌剤を散布し予防に努める。

 

【野菜】

Ⅰ施設野菜(雨よけを含む)

1.台風通過前の対策

① パイプハウスが耐えられるのは風速25m程度(アーチパイプ25mmφ、50cmピッチ、  間口6.0m)で、補強パイプを入れたコンクラハウスでも風速32m程度と考えられる。  内作に影響がなければ、フィルムは除去しておく。内作がある場合はハウスを密閉し、  隙間や破れ、緩みを点検し補修する。
(ハウスバンドの締め直し、バンド固定用のパイプや番線、らせん杭の点検、フィル  ムの補修、ドアの補強等)

② 換気扇があるハウスでは、出入口を密閉して換気扇を稼働させて施設内を負圧にする。

③ 風圧を弱める対策として防風ネットをハウスの軒高と同じか高いくらいに設置する。

④ パイプ埋め込み部分が水で緩くならないよう、ハウス周囲の排水溝を点検して手直しする。

⑤ 強風により、資材・木片・小石等が飛来して被覆資材が破損しないように、施設周辺を清掃しておく。

⑥ 生育中の野菜がない簡易パイプハウスなどでは被覆資材を巻き上げて軒の部分にくくり付ける。

⑦ 鉄道沿線や幹線道路沿いのハウスではフィルム等が飛散し、2次的な大事故の原因とならないように十分に注意する。

 
2.台風通過後の対策

① 速やかにほ場の排水を行い、停滞水のないようにする。

② 吹き返しの風の強さや方向に注意しながら、サイドビニールの巻き上げ・天窓の解放を行って、施設内温度をできるだけ早く降下させる。

③ 茎葉に付着した泥などは、速やかに水で洗い流し、農薬安全使用基準に従って、殺菌剤を散布する。

④ 野菜や苗等のしおれが甚だしい場合は、寒冷紗やべたがけ資材等を被覆して、高温の場合は植物体温の低下と蒸散の抑制を図る。

⑤ 茎葉の被害により、細菌病などの病害が発生しやすくなるので被害株や被害葉を除去し、防除を徹底する。

⑥ 草勢を回復するため、台風通過後に液肥の葉面散布・追肥を行う。また、土壌表面が固まっている場合は軽く中耕する。

 
Ⅱ露地野菜

1.台風通過前の対策

① 排水溝をさらえるなど排水に努める。また、排水口は必ず作っておく。

② 収穫中の野菜は早めの収穫を行う。

③ 播きつけ直後のものは、種子の露出を防ぐために寒冷紗等で被覆する。

 幼苗期のものは、台風前に土寄せや土入れを行って株の揺れを防ぐ。

 定植時期のセル苗等は老化しないように液肥を与え、定植を遅らせる。

④ ほ場周辺に防風ネットなどを設置する。

 

2.台風通過後の対策

① 速やかにほ場の排水を行い、停滞水のないようにする。

② 被覆資材で被覆している場合には、できるだけ早く除去し、付着した泥を水で洗い流し殺菌剤を散布する。

③ 風雨で損傷を受けた場合は、殺菌剤を散布し予防に努める。

④ 株元が露出したり土壌が固まっていたら、天候の回復を待って株元へ土寄せを行い、 畝全面を軽く中耕して通気性をよくする。

⑤ 豪雨により肥料の流亡が考えられる場合は、速効性の窒素やカリ肥料を追肥する。草勢の回復を図る場合は、薄い液肥の施用や葉面散布が効果的である。

 

【花き】

1.台風通過前の対策

① 施設に対する対策は野菜に準ずる。

② 畝の両端の親支柱や中間支柱をしっかり立て直し、中間にクイを入れ補強する。

③ ネットは頂点から3分の1程度下がったところで支持する。

④ 収穫前の小菊等は、早めに収穫する。

2.台風通過後の対策

① 速やかに排水を行う。

② 病害が発生しやすくなるので、病害防除を徹底する。

3.小菊の対策

① 台風が来る前に固めの切り前で収穫し、常温で水揚げ、保管後に出荷。

「調整」→「水揚げ」・「常温で良いができるだけ涼しい場所での保管」→「箱詰め前の再度切り戻し」を必ず行う。

② 台風が去るのを待って午前に収穫し、通常出荷。
風雨による花弁や葉の傷みは、高温、ムレにより症状は重くなるので、収穫後の水揚げや調整作業時は、通常よりばらけさせて取り扱う。ほ場では風の影響を最小限にするため、ネットや支柱の緩みを直す。収穫時に葉や花が濡れているときは扇風機などで乾かし、ムレを防ぐ。
 倒伏した小菊はできるだけ早く起こし、土の汚れを取り除き、農薬安全使用基準に従って殺菌剤を散布する。また風により葉が傷んだものは、短茎にして出荷する。

 

【果樹】

1.台風通過前の対策

 ① 強風程度と果実の成熟程度に応じて、収穫盛期の果実はやや早めの収穫を行う。

 ② 降雨が速やかに排水されるように、排水溝をさらえるなど排水対策を講じる。

③ 果実の重みで枝折れが心配される場合や品種更新のため高接ぎされたものは、支柱を立てるなどして、枝を誘引・固定しておく。

④ 棚栽培する果樹は、太い棚線の交差部分に重さ2kg程度の錘をぶら下げ、上下動を少なくする。棚線や支柱の強度、欠損箇所を確認し、支柱を増やしたり、棚線を張り直して緩みをなくすなど、棚自体を補強する。防風、防虫ネットを設置している園ではネットの結び目等を確認する。

⑤ ハウス栽培では、控え線やハウスバンドを締め直しておくとともに、強風時は完全密閉とし、換気扇を作動させてハウス内に負圧をかけ、ビニールのばたつきを少なくする。

⑥ ハウスの強度を上回る強風が予想される場合は、天窓やサイドの換気部分を全開にして、ハウスの上部と妻部分のビニールを外すか破り、ハウス本体が倒壊破損しないようにする。

⑦強風により、資材・木片・小石等が飛来して被覆資材が破損しないように、施設周辺を清掃しておく。

 

2.台風通過後の対策

 ① 降水量が多く、ほ場に長期間滞水する場合は根の活力低下、枯死を防ぐため、側溝のゴミ、泥の除去、除草を行うなどして水の流れを良くしたり、浅い溝を掘って表面水を園外に排水する。

 ② 落葉や枝葉の損傷が激しい場合は、樹の被害程度に応じた着果量に摘果する。

③ 倒木した場合は速やかに起こし、支柱などにくくりつける。枝が裂けた場合は傷口を合わせ結束する。折れた場合は切り戻し、癒合剤を塗布する。

  ④ 雨による病気の蔓延や風による樹体の傷口から病気の感染の恐れがあるので、農薬安全使用基準に従って殺菌剤を散布する。

 

【獣害対策】

1.台風通過前の対策

① 獣害柵は日ごろから破損、倒壊などの早期発見のための見回り活動が大切である。
台風の接近が見込まれるときは事前に獣害柵の周囲を巡回し、飛ばされて施設を損壊させるものがないか、流失した土砂などが柵でせき止められていないかなどを確認し施設とその付近の状況を確認しておく。

2.台風通過後の対策

① 獣害柵の巡回点検を実施し、樹木の倒木による柵の破損・サルの渡り場、土砂などの流失物などによる柵の損壊などを確認し、破損箇所の修復作業を行う。電気柵では、電圧の低下がないかチェックを行い、電圧低下が確認されれば、再び漏電箇所の巡回点検を実施し、速やかに修復する。
 破損個所を長時間放置することは、野生獣が農地に侵入するきっかけを与えることになるので速やかに行う。